AKATSUKA x HANEMAN TECH

My diary of cloud computing, Community, working strategy.

Jason Fried Interview その3

                                            インタビュー日付:2013年5月1日

 

元ネタ:http://thegreatdiscontent.com/jason-fried

 

 If you could give advice to a young person starting out, what would you say?

(これから何かを始める若者に何かアドバイスはありますか?)

 

私が言えるのは、早い時期に焦って色々な事をしすぎないことですね。間違った方向に向かってしまう多くの人は、準備のできていない間に色々な事をやりすぎてしまう人が多いです。

彼らは皆向上心がものすごく高く、すごいアイディアを持っているが、いきなり二十歳そこそこで、世界に衝撃を与えるような大きいことをしようとするよりも実現可能な小さなことから手を付けていく事の方がいいと思います。最終的に経験はとても大事になってきますので。

いきなりとててもなく大きいことにチャレンジして失敗したときに挫折は大きいと思います。

私は小さなことからコツコツという考え方の方が好きです。

 

あと、無名であることは、駆け出しの時の武器の一つだと思います。多くの若い人は自分が無名であることを嫌がりますが、失敗はスポットライトが当たる前の方が気が楽です。一旦スポットライトがあたってしまうと、プレッシャーがかかってしまいます。このようなプレッシャーは最初は必要ありません。気楽に、長い目でみながら、小さい成功を積み重ね、いろいろな経験をすることを勧めます。世界を変えるのは、それかれでも遅くありません。

 

もう一つのアドバイスは、一つのことに集中することです。多くの起業家は一つのことが中途半端のまま、次の事、新しいことと気持ちが移りがちに思います。ある程度の物を作るのはそれほど難しいことではありません。本当に大変なのは、それを維持、改善していく事です。

 

That’s a good reminder, especially with the startup culture right now. We were talking with a friend about this recently. Who is going to be interested in building things out and making them good over time? It seems like people aren’t in it for the long haul as much anymore and I don’t know if that’s reflective of a shift in the culture or what.

(それは大事な助言ですね、特にこの時代は。最近友人とこの話になったのですが、今は長期で考えたり、仕事を長期で取組むことが昔に比べて少なくなった気がします。これは時代の変化の結果なのかはわかりませんが。)

 

それはとても大切な視点で、私は時代の変化だと思います。現在は全てが圧縮されている様です。

何に対しても変化がすぐ起こり、結果がすぐに出されることの期待値が高すぎます。これはビジネスの視点で考えると決して健全ではありません。人々は、長期的な投資への価値を考えなければなりません。私は何度も言うように、一定の安定した成長の方が好ましいですね、長期的に考えても持続可能なので。長い間残るものを創ることが偉大な文化です。例えばヨーロッパに旅行し何百年と残っている古い建物などを見ると、“今我々が作ったもので、20年、50年、100年後にでも残っているものはあるのだろうか?”と思ってしまう。私はこのような考え方はとても大事だし、多くの人にもこの視点でものを作ってほしいと思います。少し説教くさくなってしまいました(笑)。

 

No, I think it’s totally on point.

This is an additional question, but I think it fits well here. During the day, I work at Crush + Lovely and one of our cofounders, Matt, was interested in hearing about how you’ve managed to keep 37signals so small considering all the products you work on.

(いえ、とても大事なことだと思います。一つ追加で質問させて頂きたいのですが、私の働いているCrush + Lovelyの創業者の1人Mattが、あなたの37signalsは提供している商品力、知名度、人気度に関わらず、どのようにして今の規模の小ささを維持しているのかとても知りたがっていました。)

 

とても大変ですよ。私は今、うちの会社で5つすぐにでも始めたいことがあります。一つの案としては、それを始められる人材を雇うことです。これが一番簡単な答えです。もう一つの案は、5つの事をまだ始めないことです。これらの事を始めることは可能ですが、全てに満足できる内容の仕事ができるかといえば、恐らくできません。それよりは、会社の規模を小さいままにし、一つ、または二つの事に集中している方が効率的、かつそれに全力を注ぐことができます。

 

もうひとつの理由として、私の経験上小さい会社の方が環境がいいというのもあります。会社を大きくする収益はありますが、それによってカルチャーに与えるダメージの事を考えると、その価値はありません。私は新しい商品、もっとお金を稼ぐこと、もっと影響力を得ることよりもカルチャーを優先しています。今あげたことは、カルチャーにダメージを与えてまでする価値はありません。現在は社員36人で過去最高です。ということは、昔ほど社員一人一人を深く知りませんし、一人一人と深く話す時間を限られてしまいます。

私たちは14年間の間にゆっくり成長してきました。優秀な人達なら、もっと短い時間でもっと大きな会社を創ることができたと思います。しかし、慎重に、ゆっくり、思慮深くやらなければいけません。カルチャーを理解し吸収することが必要です。カルチャーの上に立つのではなく、一部にならなければなりません。

あと支出に関しても保守的なアプローチが必要です。人を雇うことは一番お金のかかることですし、ただお金があるから使うというのは好ましくありません。私たち、そして雇う側にも有益にならなければなりません。雇った人に重要な仕事を与えないことは、彼らへの侮辱になります。誰も意味のない重要でない仕事はしたくありません。前も言いましたが、うちはもっと人を雇うことはできますが、その人たちにどうでもいい仕事はさせたくありませんし、うまく言えませんが、会社を“薄める”ことに少し抵抗があります。これらの理由で今はできるだけ会社を小さくしておきたいと思っています。

 

That’s all really great.

(それは素晴らしい考えですね。)

 

少し考えが散在していますが、物事には一つの正解しかないわけではないので。哲学もこのような考えから出来上がってるものだと思います。

 

No, it’s good to hear your thinking behind all of that.

(いえ、貴重な意見を聞けてよかったです。)

 

それはよかった。

 

Alright, on to a few lighter questions. You’re in Chicago. How does living there impact your creativity and the work you do?

(では少し軽めの質問です。現在シカゴに住んでいるわけですが、仕事、創造性に何か影響をあたえていますか?)

 

シカゴのいいところは、生活のペース、流れが長期的な気がします。ニューヨークに住んだこともありますが、すごくいいところでエネルギーに満ち溢れていますが、私にとっては少し生き急いでいる印象を受けました。逆に西海岸(ロス等)はもっとリラックスしていますが、それでもやはりニューヨークと同じく、生き急いでいる気がします。それに比べてシカゴは中部特有の落ち着いた雰囲気、地に足がついている感じがあります。ニューヨークや大都会ほど、人々がお金儲け、地位、名誉に躍起になっていません。健全に持続可能な商売をしている人が多く、これはわたしにとってもいい影響を与えてくれました。

創造性への影響は正直わかりません。私は建築物のファンで、その点ではシカゴはとても刺激的な街です。創造性が街から直接影響を受けているかはわかりませんが、精神的、生活のペースには多大な影響を与えてくれています。

 

Is it important to you to be part of a creative community of people?

(あなたにとってクリエイティブなコミュニティーの一員であることは大事ですか?)

 

私はどちらかというと内向なタイプなので、ネットワークを持っているわけでも社交的でもありません。私が常に思っているのは自分の“チーム”の事です。みんなが居心地よく働ける場所を提供したいと常に考えています。少なくとも一日8時間は過ごす場所ですしね。健全なコミュニティーでありたいと強く思います。それ以外では、特に“コミュニティー”という枠組みで人と繋がっているとは思いません。

 

※【Jason Fried Interview その3】は来週金曜日(7月12日)アップ予定です。