AKATSUKA x HANEMAN TECH

My diary of cloud computing, Community, working strategy.

社会課題の最前線にシュウケツセヨ!「西川町俺の会議」実施レポート

こんにちは、顔抜きジャーナリストの赤塚です。
このごろ日常の移動距離が旅人並みに長距離化しておりますが、私はマイペースに過ごしております。

さて今回は11/1(sat)に開催した地域課題を「俺のアイデア」を持った有志が集まって考える「西川町俺の会議」についてレポートいたします。
ちなみに「俺」とはこの地域の方言で、老若男女問わず「私」を指します。

西川町について

山形県の内陸部に位置していて、出羽三山の一つであり百名山にも数えられる月山がある地域です。

この地域は、7月まで滑れる夏スキー・カヌー・フィッシング・登山などのアクティビティ、西川牛を初めとする畜産・豊かな農産物・山菜、「月山青春音楽祭」・「月山志津温泉 雪旅籠の灯り」など、魅力的なイベントが年間を通して行われています。

ゴールデンウィークごろの月山は全国からファンが訪れます
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一方で、じわじわと進む人口減少の影響で各地域の統廃合が進み、2年ほど前には今回の会場である西川町立水沢小学校を含む5つの小学校を閉校して、新しい小学校を設立するなど、国内の過疎化や高齢化の課題の水際とも呼べるエリアでもあります。

西川町俺の会議開催のいきさつ

今年の夏に郡山で行われたITイベント「エフサミ」に参加していた地域おこし協力隊の渡部くん(現在は西川町役場に勤務)から、山形の西川町にある廃校でアイデアソンをしたいとの話を聞き、自分もITコミュニティと地域貢献のあり方に興味があったので、今回の計画を進めることになりました。

西川町立水沢小学校(築20年ほどで、近隣の小学校の統廃合があり2年前の2012年に閉校)
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さらにエフサミ主催メンバーで、福島を中心に都内でも活動をしているITコミュニティ「エフスタ」のコアメンバーをされているマミさんに、企画のサポートやワークショップのファシリテートをお手伝い頂けることになったので、それぞれの空いた時間を使いながら企画をまとめていきました。

プロジェクトの体制は、地域おこし協力隊を経て西川町役場で働く渡部くんを代表に、マミさんがワークショップのファシリテート、私がイベントの企画を取りまとめる形でした。
それぞれのメンバーが当日までリモートでコミュニケーションしながら準備を進めるスタイルは、地域間の連携をとても柔軟にしてくれます。

西川町俺の会議

今回は我々企画者と有志の参加者でのプレ開催で、渡部くんの呼びかけに反応した学生や、一般からは地域おこし協力隊のメンバーが参加してくれました。
彼らは実際に町のイベント企画や運営に関わるメンバーなので、町をより良くしたい気持を人一倍持っています。

ファシリテーターのマミさんは、地域や企業のイノベーションのサポートやコミュニティデザインをされている株式会社CCLに所属されていて、俺の会議のワークショップに利用するメソッドをアレンジして提供してくださいました。

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イデアは何気なく出るものではなく、限られた時間やリソースの中で最善のアウトプットを出すには仕組みが必要です。
参加者全員でワークを体験しながら、「俺の会議」のイメージを具体的にしてもらって、次回町の方をお誘いする材料にしてもらえれば嬉しいです。

では、会の流れをザザッとふりかえります。

他己紹介

二人ずつペアになってお互いのことをインタビューし、それぞれを紹介します。
自己紹介ではなく他の人を紹介する他己紹介は、これからディスカッションしていく仲間のバックグラウンドを知るにはとてもいいですね。

ワークショップ

脳の表層にあるイメージを出し切る
イデアは意識の奥底にあるとこのことで、まずはメソッドに沿ってキーワードに対して反射的に出てくる言葉を出し切ります。
オフラインでやると初めは漢字が出てこなくて大変ですが、繰り返すうちに慣れてくるから楽しいです。

初めにワークショップの流れや簡単なルールの説明

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破壊ブレスト

西川町に欠かせない物事を洗い出すために、わざとネガティブなアイデアを出し合います。
今回は「西川町を破壊せよ」のお題に沿って、西川町から人がいなくなるために必要なことを考えました。
環境に有害物質を出すような工場の誘致や道路・通信などのインフラの破壊などの計画が次々と出されます。
町の存続にとって欠かせないものを反転して考えることで、現代的な生活の良さを取り入れながらも、将来にツケを残す不審なものが無い安心感や豊かな自然環境が地域に欠かせないと改めて分かりました。

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全員でマインドマップ作成

「破壊ブレスト」から抽出された「西川町に欠かせない物事」をキーワードに、参加者全員でマインドマップを作成します。
マインドマップで広がるキーワードは、1人で考えると偏りがちですが、学生や社会人の男女の組み合わせで深みと広がりが感じられます。

個人的にはワークの説明でマミさんが話していた「アイデアの鍵は自分以外の人が持っている」には感銘しました。
私のこれまでのコミュニティ活動を振り返っても、自分が感じる課題と、誰かに会って得られる刺激が組合わさって、次の扉を開く鍵が生まれてきたと言えます。

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イデア発表

最後にマインドマップで得たキーワードを元に、西川町をより良くするための取り組みを発表し合って、皆で良いと思うものをいくつかピックアップしました。
高齢化をネガティブな課題ではなく、生きるスキルを持った先生がたくさんいるととらえ直すなど、前向きなアイデアが第1回へのテーマとして生かされそうです。
何よりも、単発のイベントではなく課題解決の動機となるコアな提案に、次につながる手応えを感じました。

最後に

西川町俺の会議が取り上げる地域課題は、時代の大きな流れの中で起こっている事柄の一つで、他の地域でもあり得ると思います。
時代の流れに逆らい、時間を巻き戻すことは難しいとしても、地域に愛着を持って住み続けたい方々が課題をポジティブに転換して、生き生きと生活することはできるのではないでしょうか。

また、今回のような会は単なる課題解決の手段ではなくて、目的に対してどのような過程を経ているかによって、生み出すスピードや結果が違ってくることも感じて頂ければ嬉しいです。

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参加されたみなさまありがとうございました。
次は雪の中でやりましょう!