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AKATSUKA x HANEMAN TECH

コミュニティ、ワークスタイル、クラウドなどについておもいつくままに書きます

熱中小学校 第1期生 学級日誌#2

みなさんこんにちは。
顔抜きジャーナリストの赤塚です。

北海道ではすでに大雪になっているようですが、山形県もアーリーウィンターシーズンに突入し、そろそろ山の標高の高いところが白くなり始めました。
スノーボードのメンテナンスもできたし、シーズンインが待ち遠しいですね。
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さて今回は、11/28(土)に行われた熱中小学校の講義のレポートいたします。
10月に入学してから少しづつ顔見知りの方も増えてきたのと、毎回講師の方々と交流できるので通うのが楽しみです。

1時間目 社会 宮原博通教諭 いごごちの良い社会、持続可能な社会について

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宮原先生は地域環境デザイン研究の所長をされていて、地域のまちづくり事業化に関するトータルプロデュースなどを幅広く手がけられている中から、瀬戸内国際芸術祭で知られる、香川県の直島で1987年から行われた「直島まちづくり計画」のプロデュースに至る経緯や、これからの地域づくりに関するヒントまで、幅広く講義を行ってくださいました。

アートと結びついたまちづくりに込められた思い

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  • 子供達にアーティストの背中を見せる(一生懸命な背中を見せるのがとっておきの教育)

  • みんながアーティストを支える(子供達に優しい気持ちが育つ)

  • 一般の家ものれんをかけて、生活の中に楽しみを作った(大人が暮らしを大事にしている姿を見せる)
    ※ 大人が暮らしを大事にしなければみんな外に出て行ってしまう

  • 参加したくなる活動内容・訴求力(インパクト)

  • パブリシティがあること、著名人よりも一流人(地元の漁師やおばあちゃんの料理のほうがさらに良い)

  • SNSなどがなかった当時、イッセイミヤケ氏によるファッションショーや 勅使河原蒼風氏による竹のインスタレーションを行い、世界のアーティストが島で創作活動を行いたくなる仕掛けを作った

人の出番作りと地域づくりとの関係

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  • 暮らしにおける真の豊かさー>心身の健康

  • 心身の健康づくりを効果的にするー>人の出番作り(リーダーを作るのではなく、生まれるベースとなる出番を作る)

  • 人の出番作りの対象として考えることー>趣味の展開、生活活動、コミュニティ活動

  • 動機付けには、面白そう・興味深い・共鳴共感などが必要

時代の変化に沿った誇りの共有、現代の結(ゆい)の形成・出番があること

  • 外から若者を呼び込む場合、雇用を予め作るのではなく、チャンスを与える

  • 地域のお役に立つようにチャンスをどう活かすかはその人の生き様次第

  • 地域がサポート・応援していく体制が大事

「結」とは農村などの集落で、一人ではできない大きな作業をこなす協力体制のことで、現代ではインターネットを通じてソフトウェアを共同で制作するオープンソースのつながりのようなものだと感じました。

地元の商店街の活用についての質問

  • 地域の人の力だけでなく、外部の人が参加できる「市」などが立つといいのかもしれない

  • アートと結びつかせるため、自然からの学びを表現できるアーティストやデザイナーの協力も必要

などなど、ここでは書ききれないほどのたくさんのことを教えていただきました。
興味のある方はぜひオープンスクールにお越しください。

2時間目 道徳 若杉浩一教諭 地域とデザイン、そして企業

個人的には今年一番の神プレゼンでした!今回来てとてもラッキーというか、このプレゼンに呼ばれた気がしますw
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大手スチール家具メーカーに入社されながら、個人では各地方で杉を使ったデザインを通じたまち・こと・モノづくりをボランティアで行うようになったいきさつやチャレンジについて、強烈なパッションでお話してくださいました。
ちなみに、この写真にある杉を使った教室や我々が座っている椅子も、若杉先生が関わって用意されたものだそうです。

儲けりゃ何してもいいのか!!!

もちろん法に触れるとかではなく、デザイナーの理念に基づいて社会に役立つ仕事をしているのかという意味です。

  • 本来デザインは社会の資本なのに、なぜ企業だけが握っているのか

  • 会社のデザインだけでは情熱で心が震えない(心がざわざわする) ことへの疑問

  • 欧米には正しいデザインを活用する社会の基盤ができているが、日本では企業が商材を売るための手段として活用される。

企業活動ではリーチできない課題や、既存の評価尺度がない(マイナスの評価すらある)課題には、個人で先にリスクを背負ってチャレンジする。

  • 仲間が減るのは本物を探すプロセス

  • 身銭を切ってでもやりたい人が本物で、お金が先に来ると正しい判断を鈍らせる

  • アフターファイブに社員が集まってくるー>オフィスではなく社会に出てデザインをするので楽しい
    地域の人に心から「ありがとう」と言われる、心が震えるデザインワーク

  • 企業とプライベートでの活動の二つの視点があるから物事が正しく見える(ズレがわかる)
    利益がなければ企業は存続できませんし、理念がなければ社会に役立つデザインは生まれないのだと思います。

企業とスギダラ(日本全国スギダラケクラブ)の関係

【杉だら】日本全国スギダラケ倶楽部 【スギダラ】

SUGIFT | 杉のお祝いモノ専門店

  • 日向市のまちづくりのお話の中で、駅の建築に杉を使うためにJRを説得した苦労話から、駅の周りに人が集まり、郊外からお店が戻り、ニュースが生まれ、結果として収益が上がったこと。

  • はじめは杉材の導入に強く反対していたJRも、地域の方々から家族とまで呼ばれるほど企業と社会が一体になったこと。

  • 規格が揃いにくい上にひび割れの可能性のある杉材は企業から見ればクレームの塊でも、地域の愛着があれば大切に使ってもらえるし、杉材の特急電車への活用から「ななつ星」へと繋がった。

  • スギダラに共感した地域の担当の方の協力で、空港内の手荷物検査場など、通常ではあり得ない導入が行われた、地元の素材を使ったビッグファニチャー の事例。

  • 無印良品 有楽町店での杉の活用では、同社の方針が土着化(地域のいいものを世界に売っていく)にまで舵を切ったこと。

などなど、企業が価値に気づくと、経済の実体がドラスティックに動いていくと話されていました。

質疑応答では、強烈なパッションに感化された参加者の方々からたくさんの感想が述べられていました。

3時間目 共生 原田英男教諭 牛は人と自然の「仲人」

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原田先生はつい最近まで農林水産の役人として活躍され、TPPの交渉などを現場で担当されていた立場から、これからの農業についてお話してくださいました。

まず兵庫県豊岡市でのコウノトリ再生プロジェクトのお話の中で、かつては役牛として働いていた牛が機械に変わり、堆肥が化学肥料に変わっていく中で環境に住む生物の役割の変化と共に多様性が失われ、あっと言う間に絶滅したことをご説明されました。

そういえば子供の頃田んぼにいた生物のかなりの種類が、今では全く見なくなったのは、単なるノスタルジーで片付けられるものではない気がします。

化学肥料や効率化自体は悪ではありませんが、近代農業化が抱えるマンモスの牙(定向進化)の課題として、量の拡大がもたらす価値の低下や、投資などインプットに見合ったアウトプットのバランスが取りにくいなどの問題も出てきたので、天然記念物のコウノトリと共生できる地域を取り戻すことをバロメーターとした改善がなされているのだと思います。

むかしむかし、牛は「共生」の仲人だった

草だけを舌で絡め取って食べる牛と、前歯で根っこごと食べてしまう馬やヤギでは、環境へのインパクトが違うそうで、日本では昔から 夏山冬里(夏は深い山、冬は里の小屋で飼う)と呼ばれる飼育が行われてきたとのこと。
隠岐の島や熊本県の草千里の草原も、牛を計画的に放牧して景観を維持していると説明されていました。

放牧で蘇る里、作り出す農村景観

牛の放牧エリアを簡易に設定可能なソーラー電気棒柵を使った、レンタルカウの利用は、小規模から放牧が可能。
宮崎県小林市の市営牧場では、耕作放棄地化する地域を放牧で再生し、人的コストをなるべくかけずに作り出す農村景観など、もともと地域がもつポテンシャルから新しい地域資源を生み出したお話。

放牧の分野でもITの発達で不便さをカバーし、メリットを上手く引き出せるようになりつつあるそうですが、課題は過去に放牧から近代農法に投資している農家が、また放牧に舵を切るための物理的・心理的なハードルがあるそうです。

農業はハードの大きな投資が必要なので、近代農法への切り替えも相当な決心が必要だったと思われます。
将来的に新しい放牧の選択肢も選べるようにするには、プレ導入のためのレンタルカウなど、お試しのしやすさ・止める際のリスクの低さはマストになるのかなと思いました。

感想

今回は色々な角度から地域・個人・企業の関わりについて考える機会になりました。

特に、2時間目の道徳の時間に若杉先生がお話された「欧米には正しいデザインを活用する社会の基盤ができているが、日本では企業が商材を売るための手段として活用される。」は、そのままITの世界の道徳にも当てはまるような気がしました。

私にとっては気持ちのザワザワを追求するためにITのコミュニティがあるのかもしれませんし、多様な考えを持った人たちを一つにするのではなく補完しあう関係をつくり、企業や一部の人の出番の独占ではなく、できるだけたくさんの方と共有し、サポートするのがコミュニティ運営者の役目の一つなのかもしれないと思いました。

ではまた!