AKATSUKA x HANEMAN TECH

My diary of cloud computing, Community, working strategy.

東北コンプリート!JAWS-UG会津のスタートとラブプラス

土日で会津若松で行われた勉強会に遠征してきました。


JAWS-UG会津の設立のきっかけの一つが、6月に開催されたCSS Nite in 会津のご縁だった事もあって、自分にとって今回は特別なキックオフになりました。

お声がけ下さったデザイニウムの代表の前田さん、本当にありがとうございました!
東北の中では福島県だけ支部が無いということで、「シンクさん、やります!」とご連絡を頂いた時はかなり興奮してしまいました。

会津はもともとITコミュニティの皆さんで「もっと勉強会やろうよ」と盛り上がっている中での開催ということもあって、すでに準備段階でも協力体制はバツグンでした。
支部長の大森さん、副支部長の石川さん・栗原さんを始めとするたくさんの方が積極的に参加されていて、コアメンバーもすぐに集まりそうな盛り上がりです。


また、コミュニティ活動への参加や支援に積極的な会津大学の寺薗先生のご協力のおかげで大学での開催ができた事で、一般の参加者だけでなく学生にも参加しやすい会になったのではないでしょうか。

以下感想とメモです

■「はじめてのAWS」AWS堀内さん

AWSの紹介として、2008年からやっているので一番経験があり、日本では2万以上の個人から大企業まで幅広く使われている説明がありました。

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AWSを使うメリットや注意する点の説明、これからのエンジニアに求められるスキルなどのメッセージもありました。
「クラウドは早く使い始めて、どう使うかを覚える事が大事」と仰っていました。
企業でも新しい技術で効率化をしながら、一つの方法に満足せずに、いろいろな事例から使い方を学んでいく必要があると思います。

イベントの紹介では「AWS Cloud Strage Day(9月13日 秋葉原)」があり、これも興味深いですねー。

AWSのサービスの紹介は、EC2・S3・Glacier・OpsWorks・Redhisft・VPCなどなど、幅広く事例やデモを見る事ができました。
中でもAmazon S3は、Webサイトのホスティングを10円からできる事で有名で、秒間10万アクセスにも耐えられるのは驚異的な性能だと思います。

OpsWorksはShefが使えるサービスで、ミドルウェアの設定まで自動化できるし、Shefでレシピと呼ばれる設定が共有されれば誰でも同じ設定を再現できるのは、これからの開発と運用のフローや管理の仕方が全く変わる技術だと思います。

VPC(Virtual Private Cloud)は、九州大学の事例としてサーバーが足りないときはクラウドから調達している事、もともとあるローカル環境としてアクセスできるし、ソフトウェアのライセンスもそのまま使える事のメリットが紹介されていました。

パン屋さんのアンデルセングループVPCの事例では、VPNが使えるのでクラウドに安全に原価情報をアップできる点がポイントになったと説明がありました。
生産管理システムの原価計算処理で利用されていて、これまでは4時間かかっていた処理が、20分に短縮されたそうです。
参考:http://www.nautilus-technologies.com/topics/20120507.html
     
SAP事例では東急ハンズの経営判断として、夜に行っていたバッチ処理は人件費がかかるが、クラウドなら昼間にやって夜は停止しておけるのでコストメリットも大きい事が紹介されていました。

ごく自然な判断が素晴らしいですね〜。


■ 「上司・顧客を説得してAWS利用をOKさせる3つのポイント」サーバーワークス大石さん

会津での豪快な切腹プレゼン!

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日本赤十字社の事例で、ダウンした日赤さんのホームページをS3に移して復旧させた事は、先日の山形の大雨で起こった断水で役場のホームページがダウンしていた事と重なって思い出されました。

S3の事例は、私も2ヶ月弱日赤さんのプロジェクトに参加していて、あの超緊急事態でホームページの復旧を実現できるのはS3しか無かったと思います。

会津からの帰り道、がけ崩れや川の氾濫の跡が生々しかったです。

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義援金予約システムのインフラは、震災直後で東京の電力供給にリスクがあると判断したため、シンガポールリージョンで行ったと説明がありました。

またAWSを導入しようとする際に上司に反対される理由を具体的にあげながら、AWSのセキュリティーや価格、可用性などの説明をして下さいました。
サーバーワークス社は2008年からAWSを導入した老舗なだけに、実際にお客さんに納得して使ってもらうために培われた説得力がスゴいです。

セキュリティーに関しては、たくさんの国際的な第三者認証やXenを拡張した特許技術で担保しているとの事。
よく言われるクラウド破産については、これまでの実績をもとにした価格の紹介と「そもそもCPUの処理を超える転送は出来ないので、選択したサーバーで費用は予測できる。」と説明されていました。


「国産のクラウド方が安いのでは?」の疑問には、比較対象が仮想サーバーのEC2だけで、その他のサービスは考慮されていない点を指摘し、AWSを使えばネットワークの設定からミドルウェアのインストール・保守の時間が短縮できると説明されていました。

自社でホスティングやクラウドサービスを提供している場合は選択肢が無いとも聞きますが、ハイブリッドな構成もアリですし、お客さんにとって最適な選択をする事がSIerの役割ではないでしょうか。

■ 「AWSで物理サーバーと違う設計・運用の部分だけ詰め込み勉強パック」cloudpack 吉田さん

現場的!AWSとオンプレの違い(赤べこバージョン)


システム構築の基本的な考え方の変化の説明が印象的でした。
赤べこのネタは会津で使っていいそうです!

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  これまでの考え方「フォールト・イン・トレラント(故障しにくい強いハードを選ぶ)」やり方から、フォールト・トレラント(障害を前提として多重化・H/A構成)の考え方「Design for failure」に変わる事を説明して下さいました。
 
  クラウドに不安があるシステム管理者の方にとって、何か起こったときに物理サーバーが目の前にない(シリアル接続できない)のは、「フォールト・イン・トレラント」の概念から来ているものなので、説明すればご理解いただけると思います。

すぐにシステムを変えられなくても、別の解決策がある事は知っておく方がいいと思います。

  サーバーがダウンしてSSHアクセスできない場合、すぐに別のインスタンスを立ち上げて仮想ディスクをアタッチし直すのは、クラウド以前には出来ない考え方で、話すと意外と驚かれるポイントです。
 
・美人CDP/CDP男子の紹介
AWSクラウドデザインパターンを楽しく勉強できる、美人CDP/CDP男子のファンサイトの紹介がありました。
今回も撮影用の道具を持参されていて、Facebookにアップしている美女との2ショットは、道具を忘れたときに仕方なく撮ったものだとのこと!
ぜひ「いいね」を!
https://www.facebook.com/bijincdp
あと、AWSカルタは道具を揃えたので、山形の勉強会で作りたいです。

アプリケーション管理サービスの「CloudFormation」のJSONファイルの管理方法や、TOYOTA案件でのバックアップや復旧方法など、実践的な説明が興味深かったです。
cloudpackさんでは障害が起きた場合の基本のフローが明確化されている説明も、運用をする場合にスゴく参考になりました。

■ 「AWSを会社で使ってみた!」シンクの石川さん

資料:http://www.slideshare.net/satoshiishikawa165/ss-25139823
謙遜しながらお話しされていましたが、技術者ならではの話がとても実践的でためになりました。

APIを使って自前のコンソールを作っているなど、グイグイ使っている感じでスゴいです!

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最近の開発スタイルの紹介では、要件定義ー>設計ー>開発の流れから、本番と同等の環境で、プロトタイプをお客さんと見ながら開発を進めるアジャイルな形に変わって来たと話されていました。

AWSを導入した際に経験した事の紹介では、初めは開発環境のインスタンスの稼働を手動で管理していたため、思ったよりも高くついてしまったとの事でした。
Cloudworksのスケジュールジョブ機能を使ってコストダウンできた話は、話の流れからもしかしてと思いましたが、やっぱり!という感じでかなりウケていました(提供元のサーバーワークス代表の大石さんが目の前にいたので)。

私もいつも使っている機能です。ステマじゃないですよ、ほんとに。
仲間が開発したサービスを紹介していただけるのは何とも言えず嬉しいです。

その他、SE作業は社内単価としても高いので、ミドルウェアのセットアップを自動化するなどして効率化する事は大事だと話されました。
やらない事を増やすことは大事ですよね。

■ LT

ドラ娘がいたのがいいですね〜。ちょこっとしたキャスティングが上手で、とても勉強になりました。


5分ぶった切りという公式ルール?で行われて盛り上がりました。皆さん慣れてますね!
私は初めて他の支部でLTをやったのと、場所が大学だったので結構ドキドキしていたのですが、とてもいい経験になりました。
山形に来た時点で全てがアウェイだったのですが、こればっかりはひたすら修行あるのみですね〜。

個人的には、デザイニウムの浅井さんが話された「会津にもっと勉強会文化を」が印象的でした。
私からみると会津は盛り上がっているように見えますが、それでも「勉強会カレンダー」で他の地域と比較すると少ないそうです。


確かに「やろう」と思う人たちが行動を起こさない限り、自然発生する事はないですよね〜。
世の中が変化しているのに気がつかなくても平気になってしまう事は、なんとしても避けたいところです。

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勉強会のメリットとして「会社でのポジションがそれなりになっても、勉強会に出ると自分より出来る人が殆どで刺激になる」と仰っていて、その通りだと思いました(私も東京でサボっていたので)。


私は地方だと技術者も少なかったりして、参加者が固定化されて飽きてしまいそうなので、近い地域同士が協力して新鮮さを保つ事も必要かなと感じています。

そしてコミュニティスキルは歳をとるほど重要度が上がる気がします。

懇親会でエクストリームネタを続ける栗原さん
ラブプラスって富士山頂でやったりするんですね!

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最後に、また一つコミュニティの輪が広がった事で、私個人にも成長のチャンスが増えたと思います。
懇親会ではシンクの上野社長のお話をがっつり聞かせていただいたり、参加者の皆さんとたくさん話が出来て楽しかったですー。


懇親会中に郡山での勉強会の予定もできたそうですし、そのうち東北全体でのイベント開催なんて事もあったりして!

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さあ次は山形が9月7日に芸工大でやりますよ!
http://www.zusaar.com/event/886005